2012-03-24 Sat 14:00
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昨年から川崎市内の作業所にも伺っています。そこではリハビリテーション科医としてではなく健康診断医として勤務しています。障害の程度は様々です。年齢も20歳前後から50歳代まで多様です。作業所内の保健室に来るだけでもみなさんたいへんな緊張。特に通い始めて間もない人は、怖くて大汗をかいていたり、結局逃げようと大騒ぎなり床を転げまわるということにもなります。でも、時間をかけて説得すれば、多くの場合は、やがて力づくでなく、自分で何とか私の前に座ってくれます。どうしてもその時はだめでも数回かければ、何とかなることが多いです。
とにかくみなさん医者にかかった経験が少ないのです。生死にすぐにはかかわらないような疾患なら尚更で、たとえばすごい側彎があっても医者に相談することができずに大人になってしまっています。この恵まれた日本にいながら。 現在”障害”については療育センターの整備も進み、少なくとも横浜や川崎で誰にも診てもらえないということはまずないと思います。しかし、一般診療となると、自閉症でしかも知的障害を伴っている場合は難しいです。通っていらっしゃるみなさんすでに中年色満載、両親の欄には”すでに死亡”となっていることも多い。私なりに、今後これからの小さい子には早くから、医者にかかりやすい方法を模索していきたいです。 |
2012-03-22 Thu 01:07
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先日、長男の通う養護学校の卒業式&修了式がありました。直上の学年が卒業し、とうとう4月からは最終学年です。式典嫌いの長男ですが、とにかく長い時間座っていることができました。(話を聞いていたかは謎ですが
![]() 当日の式で理事長先生の仰った”一日一生”のお言葉が胸に響きました。日々大切に過ごすことはとても難しい。でも身近な誰とでもいつか別れると思えば少しその心に近づけるのかもしれません。出会いに感謝し、恨んだり羨んだりは最小限に。 |
2012-03-17 Sat 08:32
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昨日、自閉症の長男君が4泊5日の学校の年一回の体験入寮から帰ってきました。大喜びで行った割には途中シクシク泣いたりもあったようですが、クラスの仲間に励まされてカラオケなども体験(彼は全くの聞き役)させていただき、手厚く面倒をみていただいき先生方には感謝の一語です。バスポイントにバスがついて、バスの中から彼は迎えに来ていた私を見つけ、早く降りたくて堪らない様子なのですが、なかなか立ち上がりません。バスの窓の近くまできて覗き込むと、彼の隣の小柄なダウン症のぼくちゃんが爆睡中。この子は年下ながら息子を気にかけてくれてる出来る男でかわいこちゃんです。長男は寄りかかってくる彼を困ったな~という目で見て立ち上がれなかったようです。その姿に母はジ~~ン。何て心優しい大男(長男は小さいお相撲さんくらい大きいです)に育ってくれたことか。家に戻れば5日分の洗濯物、やはりお風呂だ、ご飯だとうるさくて、センチメンタルな思いはふっとび、あっという間に慌ただしい日常に戻りましたが。長男が入寮中、普段できない遊び、飲み会でヘロヘロしました。貴重なリフレッシュになったとともに、長男あっての家族と実感した今週でした。
朝ご飯のあと、心をこめてミルクティーを入れてあげました。いつも通りお砂糖をいれたスプーンでズーズー音を立てて飲む姿を見ながら、この幸せがいつまでも続きますようにとまたちょっとセンチメンタルな明子です。 |
2012-03-15 Thu 20:54
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長男の学校生活も残すところ一年余り。すぐ上のかかわりの深かった学年が卒業間近になり、さみしい限りです。
先日、進路先をどう決めたかなどの先輩ママの経験談を聞く会があり、拝聴してきました。先輩ママの話はどれもよかったのですが、特に就職後もこどもの可能性を考慮し育ててくださる姿勢のある施設を選んだ、親は我が子は何でもできる人と信じてあげて育てた、という言葉が胸に響きました。世間的には最重度知的障害と分類されてしまう長男ですが、この世で母子になった私たち、私くらいはたがを外して、他人からは親バカと言われても信じてあげたいとあらためて思いました。 実際の就活?では、自閉症の特徴としてイレギュラーが苦手、仕事という概念が分からない、自分が学校をいつ出なければならないのかわからない、そんな男の実習先、ひいては進路先を誰が決めるの?私ですか?と、その重荷にちょっとハアハアしている母です。いろんな施設を見学をしても、あまりにバリエーションに富んでいて、モンブランと鰻とローストビーフどれが好き?(好物を並べてみました ![]() |
2012-03-10 Sat 06:52
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綱島鈴木整形外科で月一回開催し、通算100回を超えたフラワーアレンジメントサークルです。
慢性関節リウマチのマダムの患者さんが、手指の変形からそれまでなさていた手芸ができなくなったと嘆かれていたことをきっかけに10年前に始めました。 写真は先生が生徒の作品をみてくださっているところ。リハビリベッドをさかさまにし、カーテンでバックを作って毎回撮影会です。 ![]() 先生は岸根公園近くの花かざり神谷礼子先生です。お花の質、趣味がとても素晴らしく、指導歴も長い素敵な先生です。 第二木曜日、11時から、綱島鈴木整形外科リハ室で行っています。レッスン料は花代込3500円。私も毎回参加しています。皆勤の割に腕前が上がってない気もしますが、お花にはとても癒されます。 |
2012-03-05 Mon 18:00
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娘の学校の保護者会での先生からのお話です。こどもの心が小さな箱だとして、まず大切なものから入れなければいけないとしたら、まず何から入れたいですか?という問いかけでした。
娘の心にまずはじめに入れたいものって、何だろうって考えました。日々の生活に感謝できること、人に偏見を持たず自分も他人も大切にすること、二つになってしまうけど、これかな。なんか、実は私が求めているものということになりますよね。 さらに、知的障害の兄の心には何を入れたいんだろうって思うと、彼はもう良いものをいっぱい持っていて、追加はないなって思いました。毎日の生活の中では、本当にてこずらされてるのは事実なんですが、この人の心の箱の中には邪悪なものはないような気がします。自分の都合に合わせて怒ったりしている私のほうが、まずいかんじですね。 私の心の箱に私が入れてもらったものは何だったんでしょうか。母はとにかく私を可愛がってくれてる(今でも!)ので、私は人好きな、名の通り明るいが取り柄のように大きくなれたのかも。日頃態度の悪い娘ですが、感謝してます。 |
2012-03-01 Thu 21:08
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私はリハビリテーション科が本業なので、身体障害者手帳の肢体不自由の級についての判定をしばしば行います。
この手帳は、取得するかどうかは自由です。手帳を持っている人だけが受けられる福祉サービスも多いので、ここ数年は、むしろ患者さんや、お子さんの場合は親御さんから、診断してほしいという依頼を受けることが多くなりました。時々ふと思い出すのは、医者になりたての頃、手帳のことを説明した祭に、大変お叱りを受けたことです。”障害者のレッテルを貼る気か!”と。何かお役に立てればと、必死だった私には思いもよらず、至らなかったと思います。相手の方は、昭和10年ころのお生まれだったと思うので、育ってきた時代も違ったのだと思います。 ”障害”は、もちろん医学的にも定義できますが、社会的な意味合いは時代や地域によって異なってきます。 医学的にはハンデがあり手帳をもつ方でも、それを”レッテル”と考えずのびのび暮らせる、人間の理性があふれる社会が良いですね。いろいろやっていかなければならないことは多いですが、まずは病気や障害に対する間違った偏見をなくすことです。この世の病気や障害は、誰にでも降りかかる可能性があるもの。自分だったら、自分の家族だったらと想像力を働かせることはすぐにできることではないでしょうか。 |
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