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2012夏
2012-08-23 Thu 09:03
自閉症の長男の好みに合わせて、夏は海!!と決まっていた我が家でしたが、今年は涼しい嬬恋に行ってきました。彼にてんかんの発作が出てしまっていること、私たち夫婦もいつまでも若くなく海での活動にいつまでも付き合う自信がなくなってきたことなどもろもろの理由です。飼い犬も年老いた母に預けることもいかんだろううと、友人(同級生、本牧眼科院長)の勧めで、犬OKの宿に行ってきました。
写真は上から、近くの野菜直売場、宿で友達になったワンコ、宿のドッグランの朝日です。
携帯も届かない林の奥で、のんびり過ごしてきました。日本もまだまだ広いです。


直売場
リボン
アスプロス
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障害や病気の説明
2012-08-22 Wed 16:58
自閉症の長男と過ごす長い夏休みが終わりました。来春からは作業所に行く(はず)なので、約1か月を乗り切るという綱渡り生活をしなくてならないのは今年が最後になると思います。今年の初めにてんかんの発作が出てしまい、その後も薬の調節をしながら過ごしています。頻度は高くないものの、誰に預けるにも、状況がちょこちょこ変わってしまう最近の彼の日々の状態を長々と何度も説明しなければなりません。親であり、医師の端くれである私にも、なかなかこの状態がいい方に向かっていくのか、もっと悪いことになるのかわからないまま、説明を繰り返すのに正直しんどさを感じた日もありました。もっと若い頃だったら、何か決まった書式の共通の用紙を各施設や機関が使ってくれて、それを回覧してくれれば、親は楽なのにと思ったかもしれません。しかし、それなりに小児リハ科医を長年やらせていただいていると、人が書いたもの、コンピューターの選択肢に丸を付けたものは、そのまま鵜呑みにするのはまずいなと悟りました。だから、今は直接私から聞いてくださる方には、何度でも話し、言葉の話せない長男の情報をなるべく正確に伝えようと前向きに考えることができるようになった気がします。しんどくても、いい話でなくっても、聞いてもらえないよりは良いに決まってますものね!
療育センターにいらっしゃる親御さんもインテークや何やらいろんな人に何度もお子さんのつらい話を聞かれてお手間を取らせていることもあると思います。自分も含め各担当の力不足もあるかも知れない点はお詫びしなければなりません。ただ、親御さん自身の言葉で直接語ることが一番正確な情報にもなります。お互いめげずに(?)頑張りましょう。今はメール時代だけど、直接対話ほど情報量の多いものはありません。
この夏も私と息子を支えてくださった皆様ありがとうございました!!具体的には、新横浜地域活動ホームさま、NPO法人こどもネットワークさま、いろえんぴつさま、私の母、夫、娘です。
しかし、学校が始まってみると、学校は本当にツーカーにお願いでき、いままた学校の有り難さも再認識です~。
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発達障害と量刑
2012-08-11 Sat 14:28
アスペルガー症候群の被告に対して、障害を理由に求刑よりも重い判決が出た裁判の判決理由が問題になっています。私の周囲でも随分議論になっています。
事件にアスペルガー症候群の影響があり、さらに被告が疾患から反省を促しにくいため長めに懲役をということでしょうか。
アスペルガー症候群を理由に情状酌量を願い出た弁護人も、アスペルガー症候群を理由に量刑を重くした判決もどちらも疾患の理解に乏しいと思います。発達障害自体は何ら犯罪を起こしやすくする要素はないと私は思っています。ただ長年にわたる周囲の無理解、残念ながら育てにくいといううことからの虐待などが、二次的に患者さんをかえてしますことはあると思いますが、長年の育ちの結果のはず。疾患名のせいするのはどうでしょうか。巷にはアスペルガー症候群で平和で優秀な社会人もたくさんいらっしゃいますから。

以下大阪弁護士会の談話です。


「姉刺殺大阪地裁判決」についての会長談話
2012年(平成24年)7月30日、大阪地方裁判所(第2刑事部)は、発達障害を有する男性が
実姉を刺殺した殺人被告事件において、検察官の求刑(懲役16年)を上回る懲役20年の判決を言い
渡した。
同判決は、検察官の求刑を超える量刑をした理由として、被告人が十分に反省する態度を示すことが
できないことにはアスペルガー症候群の影響があり、通常人と同様の倫理的非難を加えることはできな
いとしながら、十分な反省のないまま被告人が社会に復帰すれば同様の犯行に及ぶことが心配され、社
会内でアスペルガー症候群という障害に対応できる受け皿が何ら用意されていないし、その見込みもな
いという現状の下では更に強く心配されるとした。そのうえで、被告人に対しては、許される限り長期
間刑務所に収容することで内省を深めさせる必要があり、そうすることが、社会秩序の維持にも資する
として、検察官の求刑を超える上記の量刑を行った。
同判決には、少なくとも看過することのできない2つの重大な問題点がある。
第1に、刑法の責任主義の原則に反する点である。
発達障害を有することは何ら本人の責めに帰すべきことではなく、これに対応できる支援体制を整備
することは国及び地方自治体の責務である。にもかかわらず、これらの事由をもって再犯のおそれを強
調し、刑を加重することは、まさに刑法の責任主義に反するものである。しかも、被告人に対しては、
許される限り長期間刑務所に収容することで内省を深めさせる必要があり、そうすることが、社会秩序
の維持にも資するというのは、まさに保安処分の理念に基づいて量刑判断がなされたものと言わざるを
得ない。
第2に、発達障害の障害特性及び発達障害者支援法の趣旨への無理解に基づき、発達障害者に対する
偏見、差別を助長するおそれがある点である。
同法は、発達障害を早期に発見し、発達障害者の自立及び社会参加に資するようその生活全般にわた
る支援を図ることを目的とし、その実現のために、国及び地方公共団体の責務として、支援センターの
設置など必要な措置を講じるものとしている。大阪府及び大阪市においても発達障害者支援センターが
設置されている。また、矯正施設(刑務所等)から退所してくる障害者や高齢者の社会復帰を支援する
ための地域生活定着支援センターも設置されるなど、必ずしも十分であるとはいえないものの支援体制
は年々拡充されてきている。ところが、同判決は、社会内でアスペルガー症候群という障害に対応でき
る受け皿が何ら用意されていないし、その見込みもないという誤った認識をし、国及び地方自治体の責
務にもふれず、その必要性すら言及していない。また、発達障害の特性として、収容して内省を深める
ことが困難であるにもかかわらず、収容することで内省を深めさせる必要があるとする。発達障害の障
害特性及び発達障害者支援の現状にあまりにも無理解である。のみならず、意に沿わない者に対して同
様の犯行に及ぶおそれがあるなどと再犯のおそれを強調するあまり、あたかも発達障害と犯罪が関連性
を有するかのような誤解と偏見を与えるおそれがある。そして、明らかに、障害を有することを不利益
に斟酌しているのであって、障害を理由とした差別的判決であると言わねばならない。
当会は、同判決の有する重大な問題点を指摘することによって、各方面において発達障害の正しい理
解を深めることを求め、また、発達障害者が社会経済活動に参加することに協力することは国、地方自
治体のみならず国民の責務でもあることを確認し、さらに、発達障害者が「自分は大切にされている」
と思える社会の形成に寄与していくことを決意して本談話を発表するものである。
2012年(平成24年)8月7日
                            大阪弁護士会
                             会 長  藪 野 恒 明
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神奈川でく工房訪問
2012-08-07 Tue 21:39
でく工房
でく2
でく
夏休みはやはりイレギュラーが多く忙しいです。今日は長男はいつもお世話になっているアンダンテというグループの高尾山遠足にお願いし、その間に横浜市内の療育センターの外来をして、引き続き長女(中二)の夏休みの宿題の職業インタビューに付き合って神奈川でく工房に行ってきました。ここは、障害児の座位保持装置が得意な業者さんです。私も長年のお付き合いながら、どうして工房が立ち上がったかなどの話を、のんびりした雰囲気の中、代表の木下さんから伺えてとっても楽しかったです。リハビリテーション科の医師としても、母としても、すでにひかれたレールの上を走るしか脳がない私には、道を切り開いてきた方のお話はとても新鮮に感じました。評価されることより、自分が好きなことをやり続けることが大切だと思う、という言葉は力になります。
今、こうしてお子さん方に関わって可愛いエキス(?ちょっと表現がこわいか?)をいただいて仕事ができる自分の身の上に感謝しました。子どもは生きたい、育ちたいっていうパワーが皮膚の下に詰まっています。それが病気や障害のためにストレートに出せない子どもたちがいます。そのパワーも少しでもスムーズに引き出すお手伝いをすることが自分の役割です。また私自身がたくさんの手助けが必要な自分の子どもの母にもなりました。、すべてが少しずつまとまりかけてる気がします。作り物大好きな長女も大興奮に喜んでいてホッとしました。私にとっても素晴らしい時間でした。
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