私は障害をもつ方々と日々接するリハビリテーション科医です。非常勤先では、リハビリテーションに関する診療を専門的に行っています。綱島鈴木整形外科の土曜日外来では、院長の診察の奥の処置室さらに奥の診察室で診療を行っていますが、明子指名でいらっしゃるのは、やはり障害をもつ方が多いです。ここでは一般医療に関する相談も多く受けています。こんなにたくさんの病院があっても、”話ができない”、”知的障害がある”、”独特の感覚過敏がある”などの理由で、申し込みの電話の時点で、診療を断られることがまだまだ多いようです。
現在の保険診療の制度、医師の勤務状況から、レントゲン一枚撮るのに、理学所見ひとつとるのに、20分かかってしまう診療は厳しいのも事実。当院でも院長一人の時には、特に時間をとったほうがよい方には、昼休みや終了間際(もちろん緊急の場合は除いてですが)に来ていただくことをお願いすることもあります。さらに一回では最後まで検査ができない場合、処置が完了できない場合もありますが、急を要さない場合には、特にお子さんではあまり怖い思いをさせたくないので、ご本人の状態を観察して無理はさせず、保護者さまの同意があればまた明日ということも珍しくはありません。見通しが立たずに怖がっている場合は回数を重ねればクリアできる可能性もあるからです。
慣れてしまえば愛すべき人たち、子たちが、なぜなかなか診てもらえないか、どうすれば診てもらえるか、いろんな可能性を箇条書きにして考えています。でも とにかく医療者側がやってみようかと思ってくれないと無理というところにたどり着きます。たまたま先日から婦人科領域の相談が重なりました。私たち夫婦だけでは解決しにくい分野です。ダメ元で古くからの知人の婦人科医に相談してみたところ、当院で相談の日を作ってくれることになりました♡もちろん内診台などありませんし、相談と振り分けだけです。婦人科医の友人は、知的障害の子とどう接するかの知識は今のところあまりない、でもそこは私が補って、どこの病院ならいけそうか考えるというところまでだけど、もしうまくいけば、はなから婦人科をあきらめていた人達のお役に立つかも!感謝の一語に尽きます。こうして一歩一歩前へ進めですね。
私は医師と当事者(の親)というハーフ。うまく二つの世界をつなげることができたらと思っています。婦人科、耳鼻科はかなり難度が高い科ですが、協力してくれる仲間を見つけていきたいと思います。また長時間かかる診察について、診療報酬の点でも考慮してもらえれば、もっと敷居が低くなくかなとも思っています。
写真は大好きな大船フラワーセンターの木蓮。木の花にも好きなものが多いのですが、木蓮は梅と木瓜と並んで、実家にあったためか特に愛しています。私の振袖にもこの柄を選びました、うん十年前…
