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命令ではなく、合意の子育てを✿
2013-07-29 Mon 14:58
7月28日、ネストジャパンの勉強会が、当院の待合室で開催されました。講師は、自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える生きづらさの正体(ソフトバンク新書)の著者の本田秀夫ドクターで「思春期を鍵にした発達障害の人達への支援」という、発達障害に関わるものなら、誰しも興味を持つ内容でした。参加者約30名、さらに当院のスタッフも院長や私を含め5名参加させていただきました。
保護者の方は、発達障害というマイノリテイな世界の住人?のわが子に、戸惑いながら寄り添い、子どもとの未来に向かってどうしたらいいのかのヒントがほしい!!いう熱気にあふれていたと思います。私たち夫婦も、成人した長男と暮らしています。私たち発達障害の子をもった親、つらいのは“子供が障害をもった”というそのことを乗り越えた後も続きます。日々の暮らしの中で引き起こされるさまざまなびっくり、それが今後どうなっていくのか、体も心も衰えていく自分たちはどうしたらいいのかという不安です。メジャー世界の子どもたち(健常といわれてる…)なら、大きくなるのが、成人するのが楽しみなところが、思春期手前から、だんだん未来が怖くなるような思いを私も経験しています。(現在進行形(^_^;))これが親にとって一番つらいことかもしれません。

家族内でも、教育現場でも、子どもと大人はお互いさまざまに作用反作用を及ぼしあいながら、くるくると変化します。親が投げた球が、思いもしない方向に飛んだり、またなんか遅れて投げ返されたり、子育てにはままあるけれど、それが極端に起こってしまうのが発達障害子育てです。だから、“こうしておけばよい”とか、“こうすれば必ず行動が落ち着く”という単純な話ではありません。私たちとって“困った”と思える行動にはどんな理由があるのかな~と、移りゆく関係の中で心を澄ますことが必要です。

昨日のお話は、その判断の基準となる発達障害をもつ子たち、また障害とまではいかないけど“自閉症スペクトラム”領域の人たちの話がとてもわかりやすかったです。この本を読むと、自閉症スペクトラムの人が、そうでない人と。かけ離れた存在ではなく、背が高いとか左利きとか、そういう頻度で分布するものとあるのが心地よいです。“普通に近づける”“普通に見えるようにする”そういうことではなく、その人間をしっかりみて受け止めることが大切なんだな。子ども、特に障害をもつ子供にも、命令でなく合意か。噛みしめつつ、親としては本当に難しいところだとも感じました。
私自身も昨日の今日で、消化しきれないところも多く、もっと続きも聞きたい気持ち満々です。また機会が持てたらうれしいです。

聞きに来てくれたママ友たち、知人のPTさん、メールをくださったけど、みな、“こどもに命令でなく合意って、できてたかな?できるかな?”って自分に問いかけ中みたいです。私も今だから、理解できるけど、すでに息子は成人…うーーーーん。もし、絡んでしまった糸があれば何年かかっても、ゆっくりほどこう。過去の自分の頑張りもそれはそれで信じてと、気を奮い立たせまた頑張りたいと思います。こんなくにゃくにゃドクターあっこですが、一緒に歩みましょう。歩んでください<(_ _)>

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生きづらさを抱えた我が子と…
2013-07-05 Fri 16:56
暑くなってきましたね!長男が作業所に通い始めて3か月が過ぎました。もともと体温調節が下手で、しかも体調不良などを訴えることがうまくできない息子です。今週はぐっと湿度も上がり、週明けから何となくしんどそうで、珍しく“行きしぶり”みたいな様子も見られ、毎朝来てくださる送迎車を祈るような気持ちで見送りました。先ほど金曜日のお仕事から、6月分の工賃を携えて帰宅しました。ちょっといつもより長く感じた一週間でしたが、ほっとしました。作業所でも仕事に取り組めず、泣いてしまったり(二十歳の大男ですが、まだおいおい泣きます(^_^;))、週の半ばには久々に自傷も出て、職員のみな様は、さまざまな工夫で彼に寄り添ってくださったようです。重度の障害をもち“生活介護”型の作業所が、進路先になった場合、その施設での対処が、その子(もう成人ですが…)の生活にとってすべてとなる…。この先の方がずっと長い人生です。自分で外出することや、気晴らしをすることは難しい…そこでの人間関係が生活の質を決めるといっても過言ではありません。ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとうございます、という言葉しかありませんでした。今、長男の同級生のみんなもいろんなところで頑張ってるけど、それぞれの施設で大切にされているようです。ありがたいな~。福祉に携わる職種の労働条件はまだまだ良いとはいえないようです。皆様、”こころ”で接してくださってる部分も多いと思います。ありがとう、と感じた一週間でした。労働条件ももっと改善していってほしいとも思います。
毎月いただいてくる彼の工賃は4000円弱です。いろんな人の想い&助けと、そして何よりも生きづらさを抱えてこの世にうまれた長男の彼なりの頑張りが詰まったものと思うと、いつも見るたび涙ぐんでしまう母です。
今週の外来の中で、“先が見えない”と泣かれたお母様がいらっしゃいました。真摯によりそっても、知恵を振り絞っても、次々新たな課題を突き付けられる発達障害の子育てではあります…“必ず何とかなります”診察の最後にそうお答えしました。この世で起きたことはこの世できっと答えが出るでしょうと、私は思っています。最愛の子どもが生きづらさを抱えている母の願いでもあります!!みなさん、頑張りましょう。

非常勤先のドクター紹介の写真です。真面目そうに?撮っていただき気に入ってます。Hナースありがとう♥
戸塚
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