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仕事とのバランス・・・
2013-11-25 Mon 20:47
自閉症の長男が、夏前後に心の調子を崩したことは何度か書いてきましたが、この間、彼のことと共に不安だったのが、自分の非常勤の仕事でした。当院以外に、川崎、横浜で、たくさんの半日外来を受け持たせていただいており、仕事に穴をあけることにならないかが、なかなかスリリングな状態の時期もありました。各療育センターのナースさん、セラピストさん、ケースワーカーさん、事務の方、こういう困ったドクターを責めるどころか、逆にたくさんの励ましのお言葉や調整をいただきありがたかったです。今も長男の時短は続く(…私自身、納得いくまでこうしたいとも思っています)ので、午前の仕事は自分なりに相当集中して行い、仕事を残さず彼の迎えに向かっています。しかし、そうはいっても、皆様にご迷惑をかけるリスクは否めない…今後は、自分で外来をコントロールできる当院での仕事(今は土曜日だけですが)の日を多くしていくのがよかろうと考えが定まってきました。
私はもっとバリバリ仕事をする人生プランだったのですが、まあ何とも中途半端な働き方にたどり着きました。特に今は、長男と二人で過ごす時間が多いのですが、彼の好きそうな混み合わない場所で、かつ(ここが大事!!)私も好きな場所を平日ぶらぶらする時間はなかなか味わい深いもの。平日の街の様子、障害をもつ人と行動するときにぶつかる様々なこと、そういったことを知ることも、リハビリテーション科の医師としてもちょっと役立っています。本当は、どんな子育てでも、母親、父親のフルタイムの設定がもう少し短く、親が心身ともに仕事に疲れ切らずに、子育てできたらいいのかなとか、嫁姑問題は大変でも大家族の子育てがいいのかな~なんて散歩しながら徒然に考える日々です。
長男は、たくさんの方のお支えにより、ぐ~んと回復してきました。もちろん、いろんなびっくりがあるのがベース(^_^;)は変わりありませんが、彼独特の人懐こさ、優しさ、が舞い戻り、のびのび過ごしている様子をみるにつけ、また先はわからないながら、この成り行きに感謝するばかりです。
写真は金沢区称名寺散歩中。たくさん歩いて暑くなって、つい暑がりの彼の背中が心配でリュックを背負ってしまうダメ母、ダメリハビリテーション科医と、みんなに怒られます^^;でも、どうせ間違うなら過保護に、そして心の風船が膨らむまで息を吹き入れたいと思ってしまうのです・・・
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何がなくとも心の健康(世の中全員)
2013-11-01 Fri 23:41
”自立させる”という正義の旗印のもとに、人に頼ることを叱ったり、できるまでやらせることが、障害児教育の目標となってしまうことがまだまだ少なくないのが現状です。たとえば、着替えが遅い、できない場合、漫然と”できるまで続けさせる”ことって、本人にとっては”お仕置き”みたいなもの。それでできるなら初めからできるでしょう。着替えががどこで滞ったか(手先?体幹?集中力?空間認知?視知覚認知?好み?…)よく観察して、不足な要素を地道に埋めていかなければなりません。どのくらいが目標設定で、何がその子に必要な要素なのを見つけるには本人をよーく見てあげることが必要です。そして、やはりどうしてもできない場合もあるのですが、それで大きく失望する必要はないことだと思っています。
大きくなった子をみて感じるのは、詰め込まれたノウハウよりも、その子自身の生きる力になるのは、”沢山の人に耳を傾けてもらえた””自分を理解しようとしてもらえた”という経験だと思います。
”心の健康”が保たれて、いわゆる問題行動が回避できれば、様々な介助やサービスを受けることができますが、”心の健康”が保たれないと、もともとの力が発揮できないし、社会での行動範囲が狭くなってしまいます。

長男が養護学校を卒業して作業所のペースになかなかなじめず調子を崩した頃も、学校を思い出すと、たくさんの先生方にあんなに愛されて育ったのだから、きっとまた調子は戻ってこられるはずと(希望も込みこみながら^^;)心を強くすることができました
今も、時短、間引きで作業所に通う彼。フル出勤から今のペースに切り替えるには、ちょっと勇気がいりました。でも、絶えず全員が、ある”ひな形”に向かって上り続ける必要はない。下り列車に乗り換えても、笑いながら進んだ方がいい人もいる。うちは下り鈍行で、でもケラケラいきたいと思う所存です。
長男の母校のバザーが近づいてきました。写真はその昔、彼が在籍したクラスの共同作品。
長男もバザーに遊びに行きたいようです。それなりに先輩面するのかな153.jpg
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