子どもたちの世界では来年度に向けて、いろんな準備が始まる時期になりました。私も非常勤で伺っている療育センターのお子さん方にも、就学に伴いフォローアップの体制がかわることのご説明や、学校卒業に際してのフォローアップ終了(横浜、川崎では年齢制限がある療育センターが多いため)のために他の医療機関への紹介状書きに追われています。本当に毎日頑張ってるお子さんたちだから、まずは”大きくなっておめでとう”って言いつつ、せっせと作業しております。
日本の教育制度のペースに従って、療育センターのフォローアップの体制が変わるというのは、実は医学的にはさほど根拠のあることではありません。特別支援学校に就学すると療育センターでのフォローが減ってしまうというのは、財政的問題からくる人員の問題にも絡んでるように思えます。訓練の必要性の有無なのか、受け容れられる人員の関係なのかは、私たち医師がきちんとお話していき、改善していかなければいけない分野と思っています。
学校に上がると学校教育の常識が、学校から出れば福祉行政の常識が押し寄せ、いったいどの話が正しいのか迷ったり、周囲の話(これがフツウよ!といったような…)に流されたり、親御さんも本人もご苦労なさることも多いのでは…。
もちろん世間の波にのることも必要ですが、そもそも”世間の波”ってとても不安定。二十年以上、しかもかなりたくさんの療育センターで働いてきた私から申し上げますと”常識はその場の常識”であることが多いのです。訓練は普通こんな頻度よ、とか、家族はこうしなければいけない、これはしてはダメ、この年にはこうだとか、さまざまな周囲の声に悩まされることが多いかと思いますが、10キロ離れたところでは別の常識がまかり通っているかもしれません。
難しいことですが、その子にとって、家族にとって、大事なこと、譲れないことは何なのか突き詰め、環境の変化の大波時にもじっとその命綱は離さない覚悟が必要ですね。
かくいう私も、長男の作業所一年目、五年分くらいの学びがありヘロヘロですが、よい一年間だったと思います。この大木は根岸森林公園のもの。この木は何歳なんでしょう?周りの変化をたくさん見た(米国領になり昭和44年に変換された公園です)に違いないけど、だまってすっくと立ってる。素敵ですね!この公園は毎年、長男が養護学校のマラソン大会を行った場所。今日は温かい日差しの中、この一年を振り返りつつ、気持ちよく歩きました♪
